平城宮跡でならびたる。

「ならびたり」は書店流通はしていません。店頭販売はフルコトと、他販売していただいているお店のみで販売しています
(今後販売店も記載していきます)

本を作っている間、出版社に持ち込んだら?という声も周りからありましたし、
自分でISBN(出版コード)を取って、流通に乗せるということも考えてみたのですが
基本的には奈良が好きで、手帖を毎年買ってくださる方に読んでもらいたいと思っていること、
それとやはり出版界の煩雑な手続きを踏むと、お手元に届くまで時間がさらにかかってしまうことなど
色々と考えて、今回も地道に通販と店舗販売のみで行こうと決めました。
買いにくくて申し訳ないなとは思っていますが、どうぞご理解いただけると幸いです。
興味を持ったらぜひフルコトへ(3/27からはことのまあかりも)、または通販でお求めください。

取材の話。
今回は11月後半から1月にかけて、取材をさせてもらいました。
お店にいったり人に会ったり、という取材が多かったのですが、女帝の取材の中で平城宮跡に行きました。
私は佐保・佐紀が好きで、以前一人旅をしていたときのように自転車で、この付近をぐるぐると周り
様々な想像をして盛り上がっていたら、あっという間に日が暮れてびっくり。

平城宮跡は私にとって特別な場所です。
修学旅行ではじめて奈良に来たとき、観光バスの時間の都合でちょっとだけ待たされたのが平城宮跡のあたりでした。
その時バスの窓から、空の雲の流れを見たときに「大人になったら絶対に奈良にまた来よう」と決意したのでした。
またこの光景が見たい、と思わせる、印象的な空だったのです。ものすごい流れの速い雲と、ただひたすら広い空。
今回の取材では季節も違うし、雲の流れも穏やかだったのに中学生の時の感情を思い出しました。
まさか「また奈良に来たい」と思っただけの中学生の私が、数十年後にこんなことになってるとは想像もしなかったでしょう(笑)

冬の平城宮跡は人もいなくて静か。この日はそこまで気温も下がらなかったこともあって
早く帰ろうという気持ちにもならず、取材が終わった後もずーっとぐるぐると自転車で回っていました。
柱の穴から、礎石から、ひたすら想像を羽ばたかせていられます。
なぜ「この場所」だったのか。
かつての都の中心だったこの場所で起きたいくつもの出来事、ドラマのこと。

時間を忘れるくらい浸って浸って浸っていたら、本のタイトルが決まりました。(笑)

またたまにはこうして一人で平城宮跡に来て、静かにひたりまくりたいです。

更新日: 2015年3月19日 1:19